岡野大嗣
「うれしい近況」展
言葉が歌になるとき
2024.5.30 – 6.30
歌人 岡野大嗣の歌集「うれしい近況」の短歌を展示します。額装した短歌を中心に、手書きの短歌、歌集の中に登場するモチーフ、朗読を吹き込んだカセットデッキなど、作者の体温や息づかいを感じられる空間です。さらに、この展示のために、新作短歌の創作ノートを特別公開。言葉が歌になる過程をひそかにご覧に入れます。ここで過ごすひとときが、あなたのうれしい近況のひとつになりますように。
来場特典:直筆サイン入りポストカード
うっかりしまった毛布を、またとりだしてしまうような6月の若桜に、
岡野大嗣さんの短歌がやってきた。
地下鉄から外に出るときの街の空気や
好きなミュージシャンの音楽に触れる瞬間
カフェの植栽が風に揺れるのなんかを
岡野さんは軽やかで、日干ししたぬいぐるみのような温もりと
そして少しのひんやりを纏いながら、言葉に、そして歌にする。
岡野さんの短歌を読むとき、私は金平糖を口にふくんだ時みたいと思う。
幸せと、さみしさ。
「うれしい近況」展 言葉が歌になるとき
どうぞお越しください。
◆イベント
岡野大嗣さんの歌集を鳥取の方により多く知っていただきたく、今回ご協力いただくのは、惜しまれつつ閉店した定有堂書店の2階にこの春オープンした、SHEEPSHEEP BOOKSの高木さんに歌集「うれしい近況」を、そして鳥取のカルチャーを見つめ続けるボルゾイレコードの前垣さんに歌集「音楽」を。お二方にはそれぞれ、岡野さんの歌集から着想して本やCDをセレクトしていただきます。
さまざまな入口から、どうぞ若桜へお越しください。
◆プロフィール
おかの・だいじ。歌人。2014年に第1歌集『サイレンと犀』、19年に第2歌集『たやすみなさい』(ともに書肆侃侃房)を刊行。18年、木下龍也との共著歌集『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、19年に谷川俊太郎と木下龍也との詩と短歌の連詩による共著『今日は誰にも愛されたかった』、21年に第3歌集『音楽』(ともにナナロク社)を刊行。21年、がん経験者による歌集『黒い雲と白い雲との境目にグレーではない光が見える』(左右社)を監修した。関西の月刊誌「MeetsRegional」で「レッツ短歌!」 連載中。 反転フラップ式案内表示機と航空障害灯をこよなく愛する。