岩瀬ゆか個展 Through を終えて

岩瀬ゆか個展 Through を終えて

11月1日から始まった

岩瀬ゆか個展「Through」を終えました。

ギャラリーカフェふくの最初のエキシビジョンは

岩瀬ゆかさんから始まりました。

今回で3回目の作品展になります。

岩瀬さんの作品は、光や風を感じる印象があり

そこに音楽や植物がからみあう、美しい時間でした。

作品を作り続けることにはきっとエネルギーが必要で、

環境の変化や自分自身の変化も影響してくる、と店主は個人的に思っています。

そして、出しきった後には、ときに自身が空っぽになってしまうことも。

その感覚から岩瀬さんを見ると、不思議で仕方がないといつも思っていました。

1年中、さまざまな場所で作品発表を続ける岩瀬さん。

生み出し続けるたびに、次の風が体にすっと入ってくる。

いっそ彼女は透明で、目の前の紙と絵の具と、筆やときには筆じゃないもので

「さあ、遊ぞ」

という風情なのです。

内面には、いろいろあるかもしれません。

「いま、このとき」

その感覚が、体のすみずみに満ちる、ああ、この感覚を私は忘れていた。

それは、子どもの時間の使い方。

忘れないように生きようと思って、絵の世界を選んだはずが

いつの間にか時間にがんじがらめになっている自分に、はたと気がつきます。

人の悲しみや傷を癒すことを、自然が果たすこともあるでしょう。

しかしその時に、ほんのひとしずく、絵があるとしたら。

人の心に触れることができる絵を、岩瀬さんは描いていると思います。

今回の作品の中で、因州和紙を使って描かれた作品を常設として取り扱いますので、

見に来れなかったなあ、という方はぜひ。

因州和紙をご協力いただいた、かみんぐさじさん

演奏していただいた、yuri yamadaさん

植物を添えてくれた百会さん

ご来場いただきました皆様、ありがとうございます。

ギャラリーカフェふく

ひやまちさと